1951-01-01から1ヶ月間の記事一覧

番外編 喜緑江美里シリーズ その3

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喜緑江美里の建前 それは、随分久しぶりに学食を使った時の事だ。 「お久しぶりです」 カレーうどんを啜っていると、向かいに誰かが座った。サラダとお茶だけを乗せたお盆をテーブルに置き、人当たりの良い笑顔を浮かべた彼女は丸椅子に腰掛ける。俺は視界の…

朝倉涼子の七並べ

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朝倉涼子の七並 -fever seven- 何かおかしい。 そう気付き始めたのは、お盆を過ぎた夏の盛りの日のことだ。 俺は居間で、干からびた軟体動物のようにぐったりしつつ、見たくもない高校野球を眺めていた。レフトにボールが上がりスピーカーから歓声が溢れるの…

番外編 喜緑江美里シリーズ2

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喜緑江美里の階段 俺の偏見かもしれないが、少し奇妙なこの学校にも面白くない校長の長話というのはやはり存在する。月曜の朝、ゾンビのような目をしている生徒達の前で様々な怨念をぶつけられながら話す校長は、マゾなのかサドなのか、やけに溌剌とした口調…

鶴屋さんの草叢

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鶴屋さんの草叢 「んお? キョン君どったの?」 手招きすると、長い髪を左右に揺らしながら鶴屋さんがやってくる。 「こんなとこに隠れて……かくれんぼかなっ?」 そんなところですよ。面白いものが見れる予定なので、ご一緒にどうです? 「面白いもの? じゃ…

朝倉涼子の麻婆&太腿

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朝倉涼子の麻婆 駅前でばったり朝倉と出くわした俺は、何故か昼飯をごちそうになる事になっていた。 「いつも長門さんがお世話になってるから」 そう言った朝倉だが、どうして長門の世話をすると朝倉が飯を奢るのか。その辺は謎である。と言うか、俺は長門の…

朝倉涼子の逡巡

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情報統合思念体が涼宮ハルヒに手を出せない訳は幾つかあるが、その大半はターゲットの持つ能力に関するものだ。地球人類はその英知の果てに量子効果という魔法に気付いたが、統合思念体は更にその上のレイヤを支配する情報効果を識っている。しかし、その統…

番外編 喜緑江美里シリーズ その1

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涼宮ハルヒについて俺が何を知っているのかと言えば、具体的なところは何も知らないと言ってしまっても良いだろう。 当然、性格や言動が斜め上なんて事は、もやは北高生徒レベルにとっても常識である。だが、俺達が巻き込まれるアホな異常事態が一体どうやっ…