バットマン ビギンズ

 リアリティ重視版バットマン、だろうか。
 いかにもアメコミなダークヒーローにリアリティを出す手段としてクリスチャン・ベールを選んだのは良かったと思う。濃い目の演技派で肉体派。
 でもアクションは全体的に雑。特に後半になればなるほど微妙な感じ。とにかくごちゃごちゃとしたアクションが多く(これは監督の色だろうけど)、動きで魅せるシーンとか殆ど無い。前半の積み上げがハンパない分、B級臭は薄れているが……。リベリオンっぽいとも言えるかも、まさに。
 てか、腰のベルトにたくさん付けてた蝙蝠プレートや炸裂弾なんかは一体どこに行ってしまったんだろう……。リアリティ重視版バットモービルがあまりに素敵マシーンなもので、小物ももっと使って欲しかったなと。せっかく自分専用開発部があるんだから。もったいない。
 でもこれが原点だとするなら、単にまだ戦い慣れてない、という事でいいのかも。油断したり、行動が派手になってしまったり、敵とぼこぼこ取っ組み合いしたり、とまだまだ駆け出しヒーローな感じ。まあこれ以上すたいりっしゅーにするとマトリックスみたいになってっちゃうかもしれんけど、でも次のも見てみたい。
 勧善懲悪ストーリーなんでそっちの方はまあ普通にハリウッド。悪が悪を制するという展開に悩ませるには時間が足りてない。まあこれはこれでいいけど、クリスチャン・ベールのスペックならもうちょっと突っ込んでみても良かったかもしらん。
 あ、渡辺謙は普通にチョイ役でした。存在感は……あると言えばあるんだろうが……。